読書⑬「カエルの楽園」 百田尚樹著

主人公はアマガエル。棲み処に敵が現れ、敵のいない場所(楽園)を求める。

ツチガエルの棲み処に辿り着くが、はたしてそこは楽園なのか。楽園であれば何が故に楽園であるのか。

 

【登場人物】

アマガエル・・・放浪者

ツチガエル・・・平和主義者

ウシガエル・・・侵略者

 

ツチガエルは日本人を客観的に映した生き物。長老と若者そして演説者。

2017年に発行されている著書だが、日本人の気質は変わらないものなのだ。

侵略者に対して「話し合いで解決したい長老」と「自分は戦いたくないが、戦うべきだという若者」。そして「戦うことは愚かだと扇動し、いつの間にか戦うべきだと誘導する演説者」。

アマガエルとウシガエルの存在がツチガエルのチョロさを引き立たせている。

 

争わない姿勢は必要だが皆が平和主義であるわけではないし「何が平和」なのかも違う。

「敵が少ない」を平和とする者もいるし「食べ物が豊富」を平和とする者もいるだろう。

 

その他の面白い点

①主人公アマガエルの名前はソクラテス。ずいぶん立派な名前。

哲学者ソクラテスのように「ここは楽園なのか。そしてそれは何故なのか」を問答する。

②ツチガエルの棲み処の名前は「ナパージュ」。JAPAN→NAPAJ。

③その他の登場人物プロメテウスは戦うツチガエル。こちらも立派な名前。