2023-01-01から1年間の記事一覧

読書⑫「変身」 フランツ・カフカ著

難しくて読みずらい。どこに着目すればいいのか、なぜグレーゴル・ザムザは蟲になってしまったのか。この本の本質は自分で見つけるしかないような物語。だからこそ、この本の感想は千差万別であり、どのように受け取ってもいいような気楽さはあるのかもしれ…

読書⑨⑩「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂幸太郎著

題名通り、陽気なギャングたちによる銀行強盗及びハートフルな物語。 【ギャングの構成員】 成瀬:リーダー。役所勤務の管理職。嘘がわかる個性の持ち主。お堅い職業の割に仲間内では陽気 響野:喫茶店のオーナー。超絶おしゃべりな陽気 久遠:スリの天才。…

読書⑧ 「コンビニ人間」 村田紗耶香著

2016年芥川賞受賞作。 社会不適合者(あちら側の人間)古倉恵子。18歳から18年間コンビニ店員のアルバイトをしている。子供の頃、死んでいる鳥を見て「焼き鳥にしよう」と母親に言う思考回路の持ち主。 コンビニのマニュアルに従う事とアルバイト仲間の真似…

読書⑦ 「人間失格」 太宰治著

学生の頃に手を出したが、共感する点が全くなく最初の方で挫折した記憶がある。 有名どころの純文学は読み手を選んでくるなとこの歳になって感じる。 ただ、昔に手を出したからこそ自分自身の経験値が高くなったのだと自覚できるし「あ~あの頃の自分の知見…

読書⑥ 「掏摸(スリ)」 中村文則著

小説の空気感がすごく好き。 情景描写がどもまでモノクロで濃淡のみが変わっていくよう。 主人公(西村)は幼少期から万引きやスリを行い、なかなかな腕前の掏摸師。裕福な者からしか掏らないというこだわりを持っているが、たまにチームを組んで強盗紛いな…

読書⑤ 「十五少年漂流記」 ジュール・ヴェルヌ著(波多野完治訳)

小学生や中学生の時に出会いたかった本。 今よりもっとワクワクできたんじゃないかと少し悔しい。 登場人物はニュージーランドの小学生8歳~14歳の少年15人(フランス人1人、アメリカ人1人、イタリア人13人)。夏休みを利用して6週間の船旅を計画していた(…

読書④ 「斜陽」 太宰治著

第二次世界大戦後の変わりゆく時代に、貴族一家がどのように生き抜いたかを描いた小説。 「没落貴族(貴族が落ちぶれていく様)」という言葉で片づけるにはもったいない。母・姉・弟の三者三様の生き方、それぞれの苦悩や強かさを感じられる小説だった。 特…

読書② 「AXアックス」 伊坂幸太郎著

終盤の伏線回収が凄まじい。 主人公〔兜〕は文房具メーカー社員 兼 殺し屋 兼 恐妻家。 前半はただの殺し屋〔兜〕の短編小説。 最終章で息子視点の物語となり、怒涛の伏線回収が始まる。 そして最後は妻・息子への愛情深さがぎゅっと詰め込まれた小説。 前半…

読書① 「砂漠」 伊坂幸太郎著

「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」 この一言に惹かれた。 大学生5人による青春ストーリー。 「私」とは違う価値観、ものの見方をする人と触れ合う大切な時間。 自分と合わないなと簡単に離れることもできる中で、互い…